森永ヒ素ミルク事件の犯人は誰?流通してしまった原因とは?

f:id:fkdtk:20160727184501j:plain左図の缶は60年前、事件当時の森永粉ミルク缶

 1955年6月~8月に発生した森永ヒ素ミルク事件とは西日本を中心に猛毒のヒ素が添加物として誤って混入した森永乳業粉ミルクを飲んで結果、乳幼児130人が死亡、中毒症被害者数約1.2万人の甚大なる被害を出しました。

終戦から10年、戦後復興から本格的な経済発展がスタートした時期で、急激な経済成長に伴う水俣病の様な環境破壊と汚染が出現する前でした。その後の公害問題のモデルは既にこの事件が原型を表していいます。 その犯人は誰で、なぜヒ素入りミルクが流通したのか? 60年後の今再度、検証したと思います。

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・結局犯人は誰だったのか?最低でも3人いた

 ヒ素混入の経過】
1953年秋、 新日本軽金属清水工場で、ヒ素とリン酸を大量に含む物質が取出され、 静岡県衛生部が厚生省に照会したが、同省は「毒劇物取締法上のヒ素製剤 には該当しない」と回答、出荷可能となった。

私見『ヒ素は人間にとって猛毒、殺傷能力の高い殺人鬼と同じ、それを普通の人としてお墨付きを与えてしまった。解き放したのは本来なら取り締る責任がある厚生省の人達です。』


『どうして殺人鬼を人間世界に、彼らの言い訳の1つに、工業用として利用する為であれば人には危害を加えないと思ったのでしょうか?戦後10年目ではこのレベルの判断でもしかたなかった?マサカです』


日本軽金属清水工場で生産された大量のヒ素を含む工業用第二リン酸ソーダを、 新日本金属化学が購入し、さらに、丸安産業を経て松野製薬に渡った。
『工業用として売買している間は殺人鬼もひと気の無い原生林での移動でしかないので、人々にとってぎりぎり安全です。』

『新日本軽金属➪新日本金属➪丸安産業➪松野製薬:工業用品分野を原生林で例えましたが松野製薬は名前からして人間用品の会社、殺人鬼が誰にも知らされず人里に戻してしまった。』


松野製薬は、この第二リン酸ソーダを生駒薬化で脱色精製させ、協和産業に納入。


 1955年4~8月、 森永乳業徳島工場で、粉ミルク製造において、 原乳の乳質安定剤(酸度安定剤)として使用するため協和産業から3回にわたり 「工業用第二リン酸ソーダ」を購入した。

『松野製薬➪協和産業➪森永乳業(6番目):この三社は人間用品を扱う、殺人鬼ヒ素は最悪の商品に入り込む、終戦10年目頃はこの三社のどこでも内容物に安全性検査をしなかった。この時代の常識?』


森永乳業徳島工場で、粉ミルク製造工程でこの第二リン酸ソーダを使用し、 「森永ドライミルクMF缶」を製造した。

『殺人鬼ヒ素は誰にも止められず一番警戒心の少ない形態と言っていい粉ミルクに混じり愛情深い母親から乳幼児に侵入した。』

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 【流通してしまった原因は何なのか?】

  1. 添加物(乳質安定剤)の検査をしなかった(食品に対する製造物責任森永乳業徳島工場では、粉ミルクの製造工程で使う乳質安定剤の 「第二リン酸ソーダ」を検査せず使用した。
    『粉ミルクがスムーズに溶けて飲みやすくする目的で添加した第二リン酸ソーダ、今は食品添加物は十分な検査をしてあっても接種したくない現在と内容物の成分表示にはユーザーではなく製造者まで気にしなかった?当時、時代毎の常識に差が殺人鬼ヒ素を見逃したのか』
  2. 販売品の毒性検査が抜けた(食品に対する販売)森永乳業徳島工場への乳質安定剤の供給業者である協和産業で 毒性検査が抜けた。 食品工場への納入ということは、判っていたはずである。
    『粉ミルク用として知りながら納品用毒性検査の習慣のないのが常識、今では考えられない時代だった、戦後10年、平和ボケの始まったときなのか?この時代から敵は身近に味方の中に潜んでいることに公害等通じて何度も何度も味わう事になってしまう。』
  3. 厚生省の判断ミス(第一原因の認可ミス)そもそも、原料について厚生省が「毒劇物取締法上のヒ素製剤 には該当しない」と回答したことが原因で、出荷可能となり 流通してしまった。 
    『殺人鬼(ヒ素:添加物)を本来取り締るべき組織・厚生省が食べるものをいかに大量に十分に提供できるかを苦心していた時代。今の様なメタボ対策ではなく、栄養失調対策が最重要課題の1つだった』

まとめ

 戦後の日本史における最初の最悪事件の犯人は①厚生省の認可ミス、②協和産業の未検査、③森永乳業の未検査つまりこの3団体の担当者と責任者が本件の犯人、重大事件程複数の間違いにより発生、最低でも6人と言えます。


それには各部門で複数の人間が関わっていますが、責任者は①~③の各一人合計3人は裁定数年の刑務所暮らしにて裁定に対して最低の責任を取るべきです。
しかし、本件では森永の製造担当課長のみで他の二人は見過ごされました。厚生省の過ちは特に重大なのに見逃されています。

 

その後も数々の公害問題、薬害エイズ、最新では子宮頸がんワクチン等厚労省の認可に関する問題は責任自覚不足があるように思えてしかたありません。

 

中国のバク買いが最近は下火になったようですが。その商品の中に日本製乳児用粉ミルクもあると聞きました。日本ブランの安心感はかつての尊い犠牲の上に成り立っていることを関係者は決して忘れてはいけないと思います。  

 

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